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人生会議(Advance Care Planning)≠事前意思決定(Advance Directive)

いざというときに「人工呼吸器を付けますか?」「心臓マッサージをしますか?」と、あなた自身が聞かれたらどう感じるでしょうか。具体的に差し迫っているものがない限り、明確に答えられないというのが正直なところでしょう。実際に、健康な成人に対して事前意思決定を行っても、次に質問した際には異なる答えになるという研究結果も出ています(Wittink MN, Arch Int Med 2008)。

では、「あなたは人生でどのようなことを大切にしていますか?」「重たい病気になったときに、どういう治療を望みたいですか?」のような問いかけはいかがでしょうか。先ほどの質問よりも、話しやすくなったのではないでしょうか。一人ひとりの考え方、価値観をご家族や関係者と繰り返し話すこと、それこそが人生会議です(Sudore RL et al. J Pain Symptom Manage. 2017)。そのプロセスを共有することで、その方がどう考えているかを深く理解することができるようになります。

縁起でもない話が自然とできる文化づくり

富山市の医療介護の実務者の皆さまは、「人生会議(Advance Care Planning)」と聞いてどのようなことを思い浮かべるでしょうか。

つい60年ほど前までは多くの方が自宅で亡くなっていましたが、次第に病院で亡くなる方が増え、現在では8割以上の方が病院で最期を迎えています。こうして死が身近でなくなったことで、死に関する話題も敬遠されてしまいがちになっているかもしれません。

しかし、いざご本人の意思を確認しなければならない段階になったときには、それが難しくなってしまう場合がしばしばあります(終末期においては約70%の患者で意思決定が不可能 Silveira MJ, NEJM 2011)。

ご本人、ご家族と関係者で「縁起でもない話」をするきっかけを医療介護の関係者から提供し、ゆくゆくは市民の間で自然とそんな話ができるような文化になることが私たちの願いです。

人生会議(Advance Care Planning)を促す共有ツール

人生会議を促すために、富山市医師会では共有ツールを作成しました。また、参考になりそうなリンクも掲載いたします。職種を問わずどなたでも「縁起でもない話」をするときに、このツールが助けになれば幸いです。

共有ツールダウンロード

用紙をクリックすると、PDFファイルが開きます。

富山市医師会 共有確認書

参考リンク

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